「離婚」について考えた

最近、離婚について考えている。
というと語弊があるが、「離婚したい」のではなく、「離婚」という制度そのものについて考えている。

一般的に、「離婚」はできるだけ避けるべきこととされている。戸籍に☓がつくことから「バツイチ」とも言われるし、「バツ=いけない」というイメージが強い。でも最近、まわりで離婚・再婚する人が増えてきたせいか、本当にいけないことなのか?と疑問になってきた。
(念のため申し上げると、私は夫との離婚はまったく考えていません。笑)

たとえばタレントの千秋さんは「”円満離婚”を定着させたかった」と言っている。

円満な離婚があるって見せたのも、その1つです。日本では離婚したら(子どもに)「お父さんは天国に行っちゃった」って教えたり、二度と会わないってことが多いけど、離婚を考えていたときにアメリカの友達から現地のことを聞いたんです。

向こうでは平日はステップファーザー(継父)、土日は実のお父さんと過ごすのも普通で、お父さん同士が互いの家に送り迎えするんですよね。そこには新しい奥さんとかほかの兄弟もいるんだけど、みんなが納得している。そういう子がクラスの半分ぐらいいるんですって。お父さんの顔も知らないとか、忘れちゃったっていうのじゃなくて、「今日はどっちのパパ?」「今日はこっち」って普通に言えるのって、いいなと思いました。
(中略)
別に離婚を進めているわけじゃないけど、苦しくてずっと我慢しているぐらいだったら、次のステージに進んで、シングルでも子どもに対してちゃんとママができるよって伝えたい。

離婚したのは子どもが幼稚園に入る前頃だったんですが、小学校を卒業する頃に、話したことがないママ2人に「あの方法があるんだって勇気づけられて離婚できた」って言われました。苦しい思いをしているよりは、女性にとってはよかったなと思う。だって人生は1回しかないんだから。(引用:AERA dot.

確かに、無理して破綻した夫婦生活を続けることは苦しいだろう。

一方で、離婚できない国もある。バチカンとフィリピンだ。この2国はキリスト教のカトリック教徒のため、宗教上の決まりで(新約聖書に「キリスト者は離縁してはならない」と書かれている)一度結婚したら離婚することができないという。

逆に、離婚しやすい国もある。たとえばデンマークでは、かつてオンラインで申請すると60ドル(約6500円)で離婚することができたという。しかしその結果、2018年の離婚件数は婚姻届を出している夫婦のおよそ半分(!)にあたる1万5000件に達したそう。そこで2019年から、デンマーク政府は離婚成立まで3ヵ月の「ウェイティング期間」を設け、さらにその期間中、「離婚後の協力」に関する講座の受講を義務付けた。

デンマークをはじめとする北欧諸国では福祉が充実しているため、ひとりでも働きながら子どもを育てやすい環境が整っており、それが離婚しやすい理由のひとつにもなっているようだ。いいんだか、悪いんだか…。

ちなみにイスラム教の国では、夫が「離婚する」と言っただけで成立する「口頭離婚」という文化があるらしい。妻からの場合は裁判所に申請しないといけないので、ものすごい差である。

こうやって考えると国や宗教によって離婚の捉え方はまったく異なるが、私個人としては、離婚にいい・悪いはなく、当人が納得できる道を選択できたらいいと思う。とはいえ、夫婦仲が悪いよりもいいに越したことはないし、よりよい夫婦関係をこれからも探求していきたい。

最終更新日:2019年8月3日
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